医療の現場から

Vol.02 基本健康診査

基本健康診査は、一見健康で何も問題がないと思っている方たちが主に対象になります。東葛地区においても、3大生活習慣病(がん、心疾患、脳血管疾患)が死亡原因の60%以上を占めています。これらの死につながる病気のもとである高脂血症、高血圧、糖尿病などは、かかり始めは症状がほとんどなく、病気が進行してから自覚することが多いのです。

基本健康診査は、血液検査、尿検査、心電図、眼底検査、医師の診察を行って生活習慣病になっていないかを判定したり、大きな病気が潜んでいないかを見つけることを目的としています。がんを見つけるには、胃がん、肺がん、乳がんなどそれぞれの検診を受けることが必要ですが、昨年度より基本健康診査のときに肝がんの原因になるB型およびC型肝炎ウイルスの検査が同時に行われるようになり、将来の肝がんの発生を抑えるように努めています。昨年は、およそ6,200人の市民の方が肝炎ウイルス検査を受けています。

これまで、流山市の基本健康診査を受けた人の割合は、国の目標である50%を超えており、県内でも上位に入っています。この受診率の高さは、市民の皆さんの健康に対する意識が高いことと、流山市および保健センターの皆さんの熱意の結果です。受診率が高くなれば、病気の早期発見、早期治療につながり、後遺障害も少なくなることにより医療費の節減になります。このことは、私たち一人ひとりにとっても、市の財政にとっても、とてもよいことです。病気にかかったことがないような人、面倒だと思われる人も1年に1回は、ぜひ受診されて、万一、異常が見つかったら早いうちに処置をしておきましょう。

(文 / 町谷肇彦)

Vol.01 新型肺炎(重症急性呼吸器症候群SARS[サーズ])

Vol.03 「麻疹」を撲滅するのだ!!