流山市医師会について

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公開講座・講演会

【流山市医師会 市民公開講座】

2017.10.01

流山市の救急医療

金澤 隆三郎

三村 俊介

後藤 慶太郎

はじめに


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2017年10月1日、500名以上の市民の方にご来場いただき、流山市の救急医療の最先端技術や消化管出血への5市にまたがる救急ネットワークの話、そして高齢者と小児の救急対応について3人の市内救急病院の医師に話していただきました。
当日は、患者さんの検査画像などリアルな写真を見せていただきました。
ここではお話のまとめの部分をご紹介します。

講演内容

脳卒中の早期治療

始めに、脳神経外科の金澤隆三郎医師に『脳卒中の早期治療』について説明していただきました。
脳の治療は時間が勝負です。できるだけ早期に適切な医療が受けられるよう、救急隊と病院が連携しています。日夜時間と勝負されている専門医の先生からの説明は、意外にも「予防の重要性」でした。
脳卒中は突然訪れることが特徴、だから、自分の身体に対する「安全運転」をぜひお願いいたします。と、話されていました。
どんなに予防していても、いつもと違う症状が突然起こった時は、我慢しないで速やかに救急に相談して下さい。

消化管出血であわてないために

次に、消化器内科の三村俊介医師に『消化管出血であわてないために、どうしたらいいのか』お話しいただきました。
出血すると本当にびっくりしてしまいます。日頃からそんな時にどうしたらいいのかわかっていると落ち着いて対応できるかもしれません。

出血した時は、本人は安静にすることが重要です。重度の貧血になると意識を失うこともありますので、誰かを呼んでください。重症だと判断したら迷わず救急車を呼びましょう。いつから、どれくらいの量、どんな色の出血があったかをメモしておきましょう。

出血を止めるためには、深夜でも休日でも内視鏡ができなければなりません。
何時も消化器の専門医が当直をしているとは限りません。
そこで、東葛北部地域の3市の病院が協力して消化管出血ネットワークを作り、緊急内視鏡の当番制を始めました。今では5市に広がり、どうしても止まらない出血に対応しています。
当日は他市の病院に救急搬送されることもありますが、落ち着けばかかりつけの病院に転院することもできるようになっていて本当に安心ですね。

小児と高齢者の救急医療の実際

救急医で総合診療科の後藤慶太郎医師には、『小児と高齢者の救急医療の実際』についてわかりやすくお話しいただきました。

救急医療では「たらいまわし」という、なかなか受け入れ病院が見つからず苦労する話が聞かれます。高齢化社会を迎え、急な病気も増加しています。
待ったなしの心肺停止の時、どうしたらいいでしょうか?近くにいる人が119番して、心肺蘇生を始めるしかありません。
なんと東葛病院のER(救命救急室)だけで年間70人もの方が心肺蘇生をされながら救急搬送されてきています。
また最近は、高齢者の誤嚥性肺炎が増加しています。
肺炎球菌の予防接種も行われていますが完全に防げるわけではありません。誤嚥性肺炎は、じわじわ悪化して気付いた時には重症化していることが少なくなく、現在肺炎が全死亡の3位となっています。

どの病院でも小児科医は不足しています。
東葛病院ERは、当直ではどの科の医師も小児の診療をしている貴重な所です。小児と大人はかなり病態が違うので、内科や外科の医師は小児科の医師の指導のもと小児救急を勉強しています。
流山市は人口が増加しており、小児も増加しています。小児の病気もケガもどんどん増えています。

本当に夜間や休日に受診しなければならない患者さんを待たせないで診るためには、「受診が必要かどうか」を見極める必要があります。
小児の#8000という電話相談をご存知でしょうか?千葉県の小児科専門医が受診したほうがいい病状かどうかの相談を受け付けています。ご利用ください。

講演を終えて

3人の医師の話を伺ってもわかるように、救急病院は日夜、皆さんの命を守るために奮闘しています。
心配だからなんでも受診すればいいというものではありません。市民の皆さんに、賢く救急医療を活用していただけるよう医師会と行政で情報提供をしてまいります。
当日は、295名の方からアンケートに回答いただきました。87%の方から興味深かったとの感想をいただきました。
難しかったと答えた方が27人おられ、「専門用語がわからない」「早口でわかりにくい」「もっと詳しく聞きたい」などのご意見をいただきましたので、今後参考にさせていただきます。

今回は地域におられる顔の見える医師の方々に講演をしていただきました。
今後の希望については、医療にかかわるテーマのご希望が多く、特に今回のアンケートでは「健康・予防」「地域包括ケア」「終末期医療」「災害時の対応」「薬の飲み方」などのテーマの希望がありました。次回開催に向け検討いたします。

(文責 / 担当理事 戸倉直実)

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